2013年11月9日土曜日

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      「十月通信」  2013.11.10 第075号

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 みなさま、いつも御贔屓ありがとうございます。
 いよいよ、冬の一歩手前の霜月になりました。どんよりした日などめげてし
まいますが、やがてやって来る新しき年にも胸弾ませていたいものです。
 先月の山形映画祭は、晴天に恵まれ、充実した時間を過ごすことができまし
た。前回に知り合った、尾花沢からのご夫妻との酒の時間も、美味しく楽しか
ったです。
 さて、今月のわたしの歌。

 ♪ つかのまの会津の秋の機関車と夜の呑み屋の日本シリーズ
 ♪ トラクター妻と子供と来年と新しき農夫は元商社マン
 ♪ 安納芋南瓜人参バーベキュー麦酒スコッチ秋晴れの畠(はた)

 先日、急に思い立って、新潟からのSLに乗りました。その蒸気機関車は、
新潟から会津若松までの路線を走る「磐越物語」という企画列車。朝、東京を
立ち、なんとか乗り込むことが出来、ゆったりとした4時間は、苦もなくほん
わかとした時間でした。命の洗濯とでも言うのでしょうね。例のごとく、会津
の夜も満喫しました。日本シリーズの夜でした。
 10月末の台風一過の日曜日、スカーっとした青空のもと、若い青年が脱サ
ラして営む農園は、土が元気な黒い色をしており、野菜の葉の若緑色が美しく
揺れていました。来年子供が生まれると聞きました。その農園での、長靴を履
いてのバーベキューはとても楽しい不思議な時間でした。夜しか会わない人と
の、太陽を浴びてのビールは、夜と昼をつなぐ楽しい酒でした。また行きたい
ですね。

■【好きな歌】
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 ♪ 簡体字を目のあたりにする感動が辞書屋二十五年の身に染みわたる
                   大島史洋「幽明」平成10年

 大島史洋(おおしま しよう)、昭和19年岐阜県中津川市生まれ。出版人。
辞書の仕事をしている自信と、責任が滲み出ていて真面目さが伝わります。
 下の歌も、おそらく通勤や日々のくらしのなかで感じたことをうたい、想い
がやさしく伝わります。勤め人の機微が出ていて微笑ましい。どれもこれも、
普通に目にする出来事で、同感します。

 ♪ 去年今年七日があいだ楽しみしこのやわらかな髭のよろしさ
 ♪ マンションの屋上にして金網のなかなる下着がおりおり光る
 ♪ 目の前の鉛筆削りに層をなす綾は楽しも仕事のはじめ
 ♪ マンホールの上をよぎればたぎつ瀬のかそかなる音しばらく聞こゆ


■【「Bar 十月」作品展】
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◎竹上妙木版画展-その日のこと:11月1日(金)~14日(金)
 虫愛ずる姫の、明るく楽しい版画作品、作品に付けたキャプションも出色。
展示は14日までです。
◎山口あき銅版画展-重なり重なる重ね展:11月15日(土)~30日(土)
 新しい境地を開きつつある山口あきさん、今回はどんな「重ね」を展示して
くれるでしょうか。楽しみです。

 12月は、
 ◎前半は、犬飼三千子作品展:12月2日(月)~14日(土)
 ◎後半は、水野皓司小写真展:12月16日(月)~30日(月)
  犬飼さんの作品は大作も小品も独創的、幻想的、かつ瞑想的。
  水野さんは松屋の広告等で評価されているデザイナー、故人。
 今回は写真を中心に展示します。

■【日本酒の会】
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 11月・第99回日本酒の会は、「高知県のお酒」です。
 候補酒は、文佳人(香美市)、土佐鶴(安芸郡安田町)、玉の井(安芸郡安
田町)、久礼(高岡郡中土佐町)、桂月(土佐郡土佐町)、藤娘(四万十市)。

 11月30日(土) 午後7時頃~、当店「Bar 十月」で。
 会費は2,500円、酒肴付。
 おもに地元のみ流通の、おいしいお酒が登場します。うるさい薀蓄なし。
初めての方、大歓迎!
 皆様、いっしょにおいしいお酒を飲みましょう。
 12月は「山形県」、第100回目です。年明け1月は「北海道」のお酒
の予定。


■【お知らせ】
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 恒例の「お座敷列車の旅」(粧企画)、2014年2月9日(日)に決定。
 朝9時JR新宿駅出発~20時半新宿駅着。コースはミステリー。参加費用
は14,900円。十月からの参加は14,000円(いずれも予定)。詳細は追って。


■【映画日記】
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 なんだか見たい映画が目白押しで、映画館に住み込みたいぐらいです。
 さて、10月に観た映画は、
  1.ブッダ・マウンテン    11.もうひとりの息子
  2.フローズン・グラウンド  12.危険なプロット
  3.謝罪の神様        13.妻は告白する
  4.凶悪           14.偽大学生
  5.陽だまりの裸婦      15.パッション
  6.天使の処刑人       16.レ・ミゼラブル
  7.トランス         17.華麗なるギャッツビー
  8.ランナウェイ逃亡者    18.デッドマン・ダウン
  9.清作の妻         19.ダイアナ
 10.刺青
 *山形映画祭作品:「共通の敵」「ブアさんのござ」「咲きこぼれる夏」
          「サンティアゴの扉」「オトヲカル」

「もうひとりの息子」は期せずして、日本の「そして父となる」のような題
材でありながら、国が違う、信仰が違うなど、個人レベルではどうにもならな
い大きな問題を抱えている、すばらしい作品。是非おすすめ。やはり愛情は時
間とともに育まれるものだと実感。
 「パッション」は女の嫉妬の怖さを十分に描いてやや怖い。秀作です。
 若尾文子の作品を4本観たが、彼女をすばらしい女優にしている増村監督に
脱帽。丁寧に丁寧に描いていて、昔の映画の質の高さを物語っている。


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編┃集┃後┃記┃
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 10月は自分の誕生月とあっていろいろ動いてみました。まず、山形映画祭
では映画を5本観ました。作品は意欲満々で頑張っている感じが十分に伝わっ
て来ました。独りよがりの作品もちょこっと。
 かねてより念願の川越祭りもこの目で見ることが出来、感動しました。
 大昔の祭りを伝承するということは文化そのものだし、街を作るということ
ですし、人々のつながりがなければ出来ない祭りです。祭り、そのものが芸能、
ファッション、味、いろんなものを作っていると実感しました。

 大型の台風一過の青空の日曜日、所沢の「ほったらかし農園」、畑のそばで
バーベキューをしました。日頃太陽の下で会ったことがないわれら、ちょっと
気恥ずかしくもあったが、すぐにうちとけてわいわいと、とりたて野菜を焼い
たりしての極上の時間でした。

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         十月通信  2013.11.10 第075号
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十月通信5月号

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